オーガニック検査技術講習会
私、先週の後半はちょっと店におりませんで、別の仕事をしておりました。
5月29日~6月3日の間、埼玉県本庄市で「オーガニック検査員技術講習会」が開催されまして、その後半3日間、微力ながらも講習会の講師の一人として、受講生の皆さんに、「オーガニック検査の技術やポイント」などを話させていただいていました。
ちなみにオーガニック検査員という仕事。まだまだ知らない人も多いのですが、実は私も2000年からやっているのです。エコマルシェにも色々ある、オーガニックの野菜や加工食品はただ勝手にオーガニックと表示されているのではなく、ちゃんと第3者によって確認されているものなのです。
ちなみに「オーガニック=有機」この2つは同じ意味です。
その「第3者によって確認されている、というシステム」ですが、これは法律なんですね。通称「有機JAS法」というオーガニックの作り方の基準。だから法律に違反したり、勝手にオーガニックとか有機と商品に表示すると、摘発されてしまいます。
国(農水省)に認可された、オーガニックを認定する機関があり、オーガニック検査員はそこに属しています。オーガニックの認定を取得したい農家さんや工場は認定機関に申請し、その後、実際の現場に派遣されるのが検査員。
オーガニック検査員は実際に現場をおとずれる唯一の人間。
客観的な観察と、オーガニックへの深い共感(愛!?)を胸に、消費者の代表として、その作り手さんが、適切に、間違いなく、オーガニックの基準に従っているかどうかを見聞きしてくるのです。
今、店頭に並んでいるさまざまなオーガニックの商品。店頭に並ぶまでには、オーガニック商品の作り手、認定機関、検査員と裏では色々と大変な手間がかかっているんですね。
で、冒頭の「検査技術講習会」。主催は日本オーガニック検査員協会(通称JOIA:ジョイア)。私も1999年に受けまして、検査技術を学びました。もちろん、ここの会員で、検査員になる前~現在、ここで検査技術を学んで、実践に活かしているという次第です。
エコマルシェを始める前は、結構1週間に2日や3日は地方の田んぼや畑、工場の検査に行っていましたが、今はそんなには行けないですね。店がありますから。でも、現場の空気を感じ、作り手の生の声を聞ける、この検査という仕事は好きですし、やりがい大です。
また、オーガニックの現場の話は「店長見聞録」として、ちょいちょい書かせてもらいます。今日のところはこの辺で。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こんにちは はじめまして
愛情たっぷり育てられたお野菜っておいしいですよね。
ところで質問です。先月末から”ポジティブリスト制度”が導入されましたが、そのことにより有機野菜の定義になんらかの影響はあるのでしょうか?
新鮮で元気なお野菜がもっと身近になればいいのにと願う毎日です。
投稿: junko | 2006年6月 6日 (火) 21時46分
Junkoさん、こんばんは。
有機野菜のの定義は特に変わらないと思いますよ。
「ポジティブリスト制度」。私の理解では、下の3点が守られれば、実際の農の現場(日本国内)では変に不安になる必要がないと思っています。
①農薬は農薬取締法という法律で、使い方が決まっています。これを確実に守ることが1点。
②あと、自分の畑や田、果樹に農薬を散布する時に、他人の畑などに飛び散ることがないように気を付けることが1点。(例えば、水田のま隣りに、りんご果樹園があったとして、りんご用の農薬が米に飛び散って、米からりんごの農薬の残留が検出されたら、アウトになります)
③「いつ・どこに・どれだけ」農薬を使ったかきちんと記録に残すことが1点。
この3点の管理がおざなりになっているようなところでは、必然と問題が発生する可能性がありますね。
有機認定された農家は、通常①②③すべて守っているでしょう。今後は他人の使った農薬が自分のところに飛散しないように、さらに注意深くする必要があると思います。日本は狭いので、自分の畑と他人の畑がどこも隣接してますからね。
だから一部の有機農家さんは、なるべく自分の有機農地を一箇所にまとめる「団地化」をすすめ、リスクを軽減しようと努力しているようです。
ほんと、東京でもなるべくご近所に農家がたくさんいれば、新鮮で美味しい野菜がじゅうぶん手に入るんですけどね。
作る側と食べる側の距離が、離れれば離れるほど、いろんな規制や仕組みで、わざわざ安心や安全を検証する必要性がでてきちゃうんですよね。
ほんとうは有機認証なんてなくても、それが当たり前の世界というのが理想ですよ。
少々長くなりましたが、この辺で。
投稿: エコマル店長 | 2006年6月 7日 (水) 00時10分