こだわりの珈琲「北山珈琲店」
絶品シナモントースト!
という文句に以前より気になっていた珈琲店。
本当はシナモントーストより、オールドビーンズコーヒーの店として有名。
良質の生豆を寝かせることで、渋味、荒味が滑らかになり、深い味になるエイジングという手法を施したコーヒー。
北山珈琲店には3年ものから20年ものまで、気の遠くなるような時間をかけて眠らせた豆があるのです。
20年も眠らせたなんて、よっぽど状態が良くなければカビるか腐るかですよ。
そんな子供のように大事にしてきた豆を、焙煎しドリップして出して頂く。
だから店の前には、張り紙が貼ってあります。
「待ち合わせ、商談等お断り」
「30分以上はおことわり」
とのこと。
こっちもそれなりの気合いで行かないと。
空きっ腹で気合いを見せた私とアッコは、3年ものブレンド靖(セイ)¥750と、20年ものブレンド雅(ミヤビ)¥1500を頂きました。
まず「雅」をひとすすり。
これは、初めての香りと味。軽く打ちのめさせられました。
まるで、豆が枯れて、古木のような樽のような、燻製のような、ブランデーのような香り。
特に20年ものというだけに、凝縮した味と香りがつまっているようです。正直、一口目は、感動と衝撃、2口目からは濃い飲み口に、気合い負けしてきます。元気でなければ絶対飲めないな、このエナジーは。
トロリとした滑らかなネルドリップの味わいが、のどにからみつくよう。
比べて飲んだ3年ものは「靖」。確かに熟成が浅い分だけ軽い感じ。初心者にはこちらがオススメかもしれません。でも十分効きます。
さて、
ねらいの「シナモントースト」がメニューにない!!
と、思いきや、壁に小さく「バタートースト¥200」の文字が。でもシナモンじゃない。
職人マスターとその奥さんが静かに粛々と仕事をこなしている、水を打ったような緊張感が走る店内で、
「シナモントーストがあるって、知り合いに聞いたんですけど」、やや緊張気に尋ねる。
表情を変えずに「ありますよ」と静かに答える奥様。裏メニューだったのでしょうか。
ちょっと厚めの食パンを耳にそってカット。まるで揚げたかのようなカリっと焼けた耳、しっとり、もっちりと、バターがいっぱい染み込んだ白い中の部分。うまくシナモンシュガーを焦がした、表面部。
本当に噂通りの絶品。こんなトーストはまたもや初めて。
濃いコーヒーに合うこれ以上のお供はない、というくらい。
純粋にコーヒーを楽しむためのトースト。ちなみにお値段は¥350。
最後、立ち上がるとクラッときました。
完璧コーヒー酔いです。
効きました。2007年初効きです。
世の中にはまだまだ私たちの知らない、すごいレベルの食の世界がありますね。よくよく精進せねばと思う、年頭所感。
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