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2010年9月14日 (火)

九州見聞録 ~鹿児島編

●究極の甘夏作りを目指す男

 ~鹿児島の山口オレンジ農園

熊本から海沿いの国道3号線をおよそ100キロ南下。鹿児島県の玄関口にあたる出水に到着。

ちょっと余談ですが・・・この道はわが青春の思い出の道。

振り返ること、今からおよそ20年前・・・

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」や「翔ぶが如く」を始め、幕末ものの時代小説を貪り読んでいた頃、うっ屈した思い・エネルギーをなんとかしようと、まずは「西郷さんたちが育った薩摩に行こう!そうすれば道が開けるかもしれない」となぜか突然思い立ち、自転車で東京から鹿児島まで走ったのであります。今その同じ道を車で辿っている。

「鹿児島で美味しい甘夏を作っている農家がいるからぜひ紹介するよ」と知人に紹介され、今年の三月に当店に寄ってくれたのが山口宗隆さん。誠実な印象、おそらく30代と思われ、甘夏への熱き思いを語ってくれました。甘夏もかなり美味しく、早速この三月~五月の間、甘夏を売らせていただいた次第です。

「鹿児島の人は甘夏をあんまり好んで食べないんです」と山口さんは言う。

そして、全国的にも酸味がある果実よりも、とにかく「甘い」というものばかりが幅をきかせている現状。そんな逆境の中、あえて「うまい甘夏」を作り続けたいという山口オレンジ農園。

なかなかのど根性農家とみました。

愛情感じる健康な甘夏園

出水の市街地から畑のある山の方へ向かう。眼下には海。天気がよければ天草諸島が見えるようだ。

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畑は朝から夕方までしっかり陽光がさす、ほどよい傾斜地。そこに樹勢豊かな甘夏園が拡がる。

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ちょうど山口さんの甘夏と他の農家の甘夏が隣接しているところがあり、見比べてみると一目瞭然。

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(山口さんの甘夏の樹)

山口さんの甘夏は葉色が濃く、ツヤがあり、葉っぱがやや上に向かって立っている。そして枯れ枝も少なく、いかにも健康そうな「樹」という雰囲気。

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(他の方の甘夏の樹)

一方、他の農家の方の甘夏は葉色がやや薄く、ツヤがなく、葉にいまひとつ張りがなく、枯れ枝も多い。

そりゃ違うわけです。甘夏にかける気合、そして愛情が違う。

あらためて甘夏園全体を眺めると、よく管理されてるな~と感じる。いうなれば整理・整頓・清潔の3Sが行き届いているといったような。これはとりもなおさず、日々園を歩き回り、観察し、適切な処置をしているということに尽きる。

甘夏の樹の健康・樹勢を維持させるために、山口さんのところでは化学農薬や化学肥料を使うことは否定しない。無論使わないにこしたことはないので、必要最小限だ。

例えば、樹の枯れ枝をそのまま放っておくと、黒点病という病気が発生してしまう。

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(へたの付け根の部分の茶色っぽいのが黒点病)

なので、徹底的に枯れ枝を落とすことによって、黒点病対策の農薬は使わなくて済む。

何百本もある樹、一本一本と対峙・対話していくという、なんとも気の遠くなりそうな管理作業を日々続けることで、ようやっと農薬の散布回数は減らせる。

ちなみに除草剤は樹や土壌に悪い影響しか与えないので、過去30年間使っていないという。

肥料も同じでその樹、そのタイミングに合わせたものを適量、その樹の周囲に自ら手で施す。省力で済ます農家の場合は、肥料は液状に薄めた肥料だけをスピードスプレーヤーという小型の車の散布機で園全体にバーッと拡散散布することで済ましてしまうようです。

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山口さん、代々続く農家の倅さんだが、農業に関心を持てず、他所に勤めに出ていたとのこと。今は、親父さんの技術・経験を傍らで学びながら、「農業はすごく楽しいし、面白い!」と言い切る。

オンリーワンのうまい甘夏、逆境をはねのけてがんばれ山口さん。

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店頭に並ぶのは、来年の三月ごろになります。

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