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2010年9月22日 (水)

九州見聞録 ~大分編

昨年の八月、北海道の農家渋谷さんから、「無農薬でブドウを作っている農家が大分にいて、ほんっとにおいしいんですよ、これが!」と紹介いただいたのが、山下さん。

早速連絡、送ってもらい箱を開けると7種類くらいのいろんな色のブドウが飛び込んできた。

個性豊かな聞きなれぬ品種のブドウ、どれもうまい。しかもすべて「種あり」なのだ。

種なしブドウの作り方とは

果実はその植物が未来を託す「種」を宿すもの・・・ですが今一般的に売られているブドウはほとんどが種なし。どうなっとんのでしょう?

それは通称「ジベ処理」、ジベレリン処理という作業を行うことによるのです。

ジベレリンとは植物そのものが持っているホルモンの一種。植物から抽出して、何かしたものが「植物成長調整剤」として粉剤とか液剤で売っています。
これを水で薄めて、そうですねスタバのトールサイズより大きめの容器に入れて、五月、花が咲いたブドウのまだ小さな房をその水溶液の中にポチャンと浸します。ブドウ園のすべての房ですよ、大変ですね。その作業を五月~六月に間に2回やるそうです。

この「ジベ処理」をやることでブドウは種なしになるのです。流通の都合や消費者の嗜好を受けて、いつからかブドウのほとんどは種なしになりました。種ありを作るよりも、剪定の方法が簡単だという農家側の都合もあるようです。

ジベレリン自体はホルモンなので毒性とかはないようですが、ほとんど種なししか作られていないという現状には、「種(しゅ)」として考えたときに、一抹の不安がよぎったりします。

理想の芸術的生活へ向けて

別府から北西方向に車で1時間ほど、安心院(あじむ)に向かった。

安心院町ではぶどうの栽培奨励をして、広大な山林を切り開き「ぶどう生産団地」としたことで、最盛期の1980年代にはは450軒の農家がぶどう作りに励み、大生産地となった。しかし、その最盛期以降は後継者不足と高齢化で今では農家戸数も面積も最盛期の4割となってしまった。

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山下さんは元々農家出身ではない。

大学、大学院と英詩(シェークスピアなどでしょうか、私はあまりにも薄学で・・)を勉強、その後勤めたものの、理想に燃えて英詩修行に奥さんと共にイギリスへ。5年間のイギリス滞在中は、かつての偉大な詩人たちの息吹を骨身に感じようとしながら、野山などで詩の朗誦、発生練習にふけり、それはそれはかけがえのない時間を過ごされたようだ。
帰国後、精神的・芸術的に自由度の高いライフスタイルを模索し、農業というスタイルを選択したのが約14年前。

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まったくの素人農家2人。まずはブドウ団地の中の荒廃園の草刈りからスタート。ブドウ栽培を始めたわけだが、高温・多湿という「ブドウ栽培にもっとも適していないじゃない!」ことが分かったが、あとの祭り。とにかく、当初から除草剤だけは使わず、素人なりにいかに農薬を使わないで済むかを研究し、この3年間はなんとか農薬を使わないところにこぎつけたようです。それまで、そして今も相当筆舌にしがたい苦労があると察します。

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まだまだ理想の芸術的生活をするには、肉体的にも余裕がないようですが、年々評価も高まり、有志が集ってきたとのこと。あと七年で「無農薬栽培を確立し、次世代にバトンタッチできるようにしたい」とおっしゃいます。

山下さん含め、皆さんのことはまだまだ語り足りないのですが、どうやら誌面が尽きてきた模様。このたびの九州見聞録、長々と駄文にお付き合いいただき誠に感謝です!これからも色々とお伝えしていきたいと思います。  

by 店長

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