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2013年5月28日 (火)

佐藤椎茸園に行ってきました

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5月中旬に訪問した、宮崎県五ヶ瀬町の「佐藤椎茸園」さん。

五ヶ瀬の特産品の一つ、原木栽培の乾燥椎茸。

今年の3月より扱わせて頂いている。

先日ご紹介した、「宮崎茶房」さんより、更に奥の集落になる。


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標高550m。もう、山と空と椎茸しかない。

簡単に原木椎茸の栽培方法をご紹介しましょう。

11月上旬、山の木を伐採する。

もちろん、ただの山の木ではない。

椎茸用に植林した、樹齢25年以上を経過したクヌギの木。

原木椎茸は、培地の原木から考えると、30年弱もかかってできる山の産物だ。

翌年、1月中旬ごろ、伐採した木を玉切りといって120㎝の長さに切揃える。大変な重労働だ。

3月下旬ころ植菌。

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駒と言って、椎茸の菌を木に打っていく。

ドリルで木に一つ一つ穴を空けて、駒を打ち込んでいく作業。

菌を植え付けられた木は、

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ふせこみ場という、木を寝かせて置く場所に移される。

ここで、木の中の養分を吸って、椎茸の菌が木の中に回り始める。

ここで二回夏を越す。

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これが、すごい傾斜で、スキーの上級コースと言えばイメージがわくでしょうか。初心者には飛び降りるように見える傾斜です。

この傾斜場で、木を持って行き来することを考えただけで気が遠くなりそう!

これも、風が抜ける、木陰、適度な湿度、椎茸栽培のために全ての条件を整えるための場所。人の都合は無いのだ。

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ほだ場に移され、気温が8度を下回ると、椎茸の発生が始まる。

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全天候型と言って、

直接日光が当たらないために、自作の日除けをつけたり、

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木を、適度に植えて木陰を作るなど、椎茸発生のための場づくりが施してある。

暑くもなく、寒くもない、ヒンヤリした山の空気が気持ちいい。

人にとって気持ちのいい場所であれば、椎茸も気持ちいいんですよ、と。

 

椎茸の発生は11月頃から始まり、翌年の3月ごろまで続く。

一本の木で、2~4年取れるので、長い木で4年ここで過ごすことになる。

収穫した椎茸は乾燥される。

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まず機械で温風乾燥。

特徴は独自の湿球をつけて、椎茸内部の水分を計測しながら乾燥させているところ。

これだけだと、表面しか乾燥しないので、仕上げに

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室乾燥。

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下に、薪(終わった原木)をくべて、

その熱でかわかす。内部までじっくり乾燥でき、椎茸の風味がしっかり残る。遠赤効果もあるとか。煙は逃がすようになっていて、燻製ではない。

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そして、椎茸専用倉庫での低温保存。ここで、パック詰め、出荷、となる。

とても、長い時間と、手がかかっている。

原木栽培の乾燥椎茸が、いかに貴重で有難いものかということがよくわかる。

乾燥椎茸の技術は、中国から大分に伝わって、それが周囲の県に伝わった。

なので、その技術と歴史は長く、やはり九州産が一番、と誇りをもっている。全国シェアも九州産が6割を占める。

佐藤椎茸園の秘密はもう一つある。

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今まで見てきた、山の仕事を一手に引き受けるお父さん、勝義さんと、

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息子さんの存在だ。

きのこの専門学校を卒業した後、きのこの種菌メーカーに勤め、

現在は椎茸加工品メーカーの営業マンのきのこ一筋人生。

週末だけ五ヶ瀬に戻り、佐藤椎茸園の販売、営業、品質管理、仕分けを行なっている。

お父さんの、昔ながらの山の仕事に、息子さんの各所で培ってきた知識が加わって、素晴らしい椎茸を作って出荷している。

低温倉庫も、椎茸流通業に携わっているからの発想で、一年中品質の良い椎茸が提供できると。

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佐藤椎茸園の椎茸は、戻したときの香りがとても良い。戻し汁もそのまま飲めるほど美味しい。戻した椎茸は、生き返ったようなふくっらさと、じんわりした旨味がたまらない。山のエネルギーがギュッとつまっている。ここの乾燥椎茸を食べると、乾燥椎茸って、こんなに美味しかったっけ?と思うくらいだ。

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勝義お父さん、御年77歳。

息子さんの説明の合間、時折お父さんの仕事に敬意を払う言葉が含まれる。

「山の仕事にマニュアルはないです」

「このおじさんは、欲しいものは売っていないから、なんでも自分で作るんですよ」。

思い描いたものが無いから自分で作るしかない。

頼りになるのは、知恵と体だけ。この小さな乾燥椎茸は、すごい人間力を経てここまで届いている。

作り手が見える食べ物を頂けるのは、本当に有難いことだ。

頂くときの、感謝の心持が変わってくる。

その背景を知ったとき、ただの食物ではなく、いのちを持った食べ物に変わる。

こういう食べ物に出会えたことに感謝し、みなさんと分かち合っていきたいと思う。

akko

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