「オリーブオイルの使い方教室」報告
6月20日(土)18~21時に「オリーブオイルの使い方教室」を開催しました。
イタリア産EXバージンオリーブオイル「オルチョサンニータ」。
(写真はあらしぼりバージョン)
開店以来、お付き合いさせて頂いています。
講師はオルチョサンニータ(以下オルチョ)を輸入販売するアサクラ代表朝倉玲子氏。
6年ぶりの講習会。
オルチョにこめられた思いは一層高く、ほとばしる情熱が止まらない!オリーブオイルの使い方教室というカテゴリーに収められないほどの濃い内容でした。
2014年産のイタリア各地のオリーブの不作によるオリーブオイルの市場や製品の内容について、
オルチョと一般的なEXバージンオリーブオイルの違い、
体内における油の役割について、油の酸化等々、
オリーブオイルの8千年の歴史から現在のオリーブオイル事情について一通りのお話。
次に、アサクラでは、カムット小麦など古代小麦のパスタも扱うため、小麦についても説明。
一般的なパスタはデュラム小麦という小麦でパスタを製造しますが、アサクラパスタは「カムット」「ファッロ」という古代小麦と呼ばれる品種改良していない小麦を使っています。
じゃあ、小麦が違うからいいの?
もちろんそれもありますが、一番大きな違いは製造方法ではないか、とのこと。
パスタの製造方法は、一般的には早く大量生産できる高温短時間乾燥による製造方法が主流ですが、昔ながらの低温長時間乾燥という製造方法もあります。
後者は小麦の粉の味を損ねず、小麦の美味しさを残しますが、時間もかかりますし、効率性が悪いためイタリアでも少なくなり、現在は小規模なパスタ工場が少数イタリアに存在するようです。
そういった良心的な工場で製造してもらい低温長時間乾燥方法をとっているのがアサクラパスタ。
今回は某有名パスタと茹で比べ、食べ比べをしました。
比較するとすぐにわかります。
一般的なパスタはプルンプルン。茹でたてでソースをからめれば、
アルデンテってこういう食感なのかな、と思います。しかし、冷めてもプルンプルンの食感は変わらず、弾力を保っています。ちょっとゴムに似た食感。
アサクラパスタは食べると体に負担が無いなぁと感じます。うどんみたいなもちもちさがあって体にすっと入ってくるような感じ。冷めても美味しいです。
高温短時間乾燥のパスタは製造過程で、たんぱく質の凝固、つまりグルテンの変性を促します。誰が茹でてもアルデンテに茹でられ、冷めてもアルデンテを保つ、早く製造でき効率も良い、より多くの人がパスタを食べられるという市場原理もあるわけです。
特に昨今の話題はグルテンフリーや小麦アレルギーについては、朝倉氏の経験からこの高温によるグルテンの変性も理由の一つではないか、とのこと。
だからといって、アサクラパスタが小麦アレルギーの方に大丈夫、というわけではありません。
ただ、アレルギーの原因も色々あり、製造方法なのか、種なのか、小麦そのものがだめなのか、
1万年も食べられてきた小麦が現在になってアレルギーを生み出した理由には、現代の製造方法、品種改良、ポストハーベストなど様々な要素が複合的になっているのでは、と。
オリーブオイルに続き、小麦の話も深いです。
どちらも詳しい内容はアサクラさんのHPをご参考ください。
料理、実技に移ります。
こちらは玉ねぎとケッパー、丘の上のポモドリーノ(ミニトマトの水煮)を使ったトマトソースの作り方。
玉ねぎの切り方、ケッパーの使い方、トマトの話、ひとつひとつが聞き逃せない話ばかりです。
レシピは
「五感を呼び覚ます料理教室」
となり、分量表記は消えました。
「みんなお味噌汁の味噌の分量はいちいち測らないでしょう」
「鍋の容積と、出来上がりの分量を想像してみて」
一言一言が貴重で、
メモを取ったり、味見したり、話を聞いたりでみんな真剣。
本日のメニューは5品。
ミニトマトのブルスケッタ
ズッキーニのペンネソース(カムット小麦のパスタ)
ケッパーと丘の上のポモドリーノのトマトソース(某パスタ)
グリーンサラダ
ズッキーニのサラダの豆乳ベシャメルソース和え
今回は野菜だけを使ったメニューにしました。
肉や乳製品に頼らずとも、美味しい野菜とオルチョを使えば満足感が出ることと、ケッパーの使い方もわかりやすいかなと。
この後に豆乳を牛乳に変えたり、ベーコンや魚介に変更すればアレンジができるわけです。
なるべく少ない素材で習っておけば応用が効きます。
発砲水でカンパ~イ
食べるときも真剣。
その後、質疑応答、一番美味しかったレシピなど、一同でお話。
各自、ただ美味しいと感動するだけでなく、更に考えそれぞれの意見を述べてくれました。
なぜこんなに美味しいのか?美味しいには理由があるんです。
一番良いものを知れば、ものの善し悪しがわかる、だから本物を知ってほしい、気づいてほしい。
特に食品は偽物が多い!と流通側から断言する朝倉さん。
身体を作るものだから本物に触れてほしい。
表示や賞味期限に頼らず、自分の感覚を磨いて判断することをしてほしい。
だから五感を、料理を通して研ぎ澄ましてほしい、と。
オルチョとアサクラパスタの美味しさもよくわかったのですが、熱意をもって伝える朝倉さんに感動してしまいました。
次回の講習会は未定ですが、また開催したいと思います。
当店でもオルチョとパスタは一部販売していますが、どこかで見かけたら
ぜひ一度お試しください。
食の世界観が変わるかもしれません。
朝倉さん、参加頂いた皆様ありがとうございました。
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