13日(土)、行ってきました、中野ZEROホール。
中野区在住の能役者、小島英明氏を中心に毎年行われている「中野ZERO能」
私にとっては初めて見る「生」の能
まず最初に「仕舞」が2幕
「仕舞」というのは、ひとつの能のストーリーの中の一部分、いわゆるダイジェストっていうのかな。
そのダイジェスト場面だけを「面」や「装束」をつけない略式で舞うもの、のようだ。
1幕、15分くらいの短いもの。
遠藤六郎氏という80歳を越えた大ベテランの、静かで厳か、ごくごく少ない動きの、いぶし銀な舞い
そして観世流の観世喜正氏の迫力がある、躍動感に満ちた舞い
うむ、うむ、これが仕舞というのか。
次は狂言。誰でも知っている、野村萬斎氏登場。
狂言は素面でやるコントみたいなものだ。分かりやすい。
狂言だけは今までに、ナンチャンの現代狂言を2回見ているので、独特の節回しや世界観も比較的「すっ」と入ってくる。
そして最後、「紅葉狩」。約1時間くらいの能舞台。
まずセットが美しかった。普通の能楽堂はおそらくもっとシンプルなのだろうが、今日のZERO能は一味違うようだ。
舞台上方に美しい、紅葉のセット、それに絶妙な照明。舞台中央の「山」のセットの風景。
まさにホール全体が「秋深まり、紅葉が燃える、夕暮れ近い信州の山」といった感じ。
前半は「静」、後半は「動」。
前半はたおやかに酒宴を催す女人4人。そこにたまたま通りかかった平家の公達が加わり、酔った勢いか、4人の女の主人格と結婚の約束までしてしまう。なんてこった。
酔って寝ちゃった公達。それを確認するや否や、女人は本性を現し、「鬼」に変化。
クライマックスは鬼4人vs平家の公達1人。激しい舞い。鬼の面も凄まじい。
最後は鬼のボスが斬られるが、その倒れ方がまた凄まじい。
ほぼ直立のまま、仰向けに後ろに向かって「ダーンッ」と勢いよく倒れた。
会場もどよめいた。「仏倒れ」というらしいが、あれは素人がやったら怪我するな。演者の小島英明氏がよっぽど頑健か、体の使い方がうまいんだろう。
とにかく心に響く舞台が観れました。
今年はせっかくだからしっかり能を理解すべく、今度は能楽堂に行ってみよう。
さて、舞台も激しかったが、舞台の外も激しかった。
小島氏肝いりの「和菓子屋」、「お茶屋」、「酒試飲販売」などなどの出店。そこに突撃するお客さま。私ははじきとばされました。
なんとか唯一手に入れた
玉栄堂さんの「トラ焼き」。「ドラ」ではありません。
包装紙を取ると、ほらトラの模様みたいでしょ。
ふんわりとしておいしゅうございました。
by店長
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